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ギブソンの初期のソリッドボディギター、主にレスポールモデルなどは、カラーに関して言えばかなりシンプルなものでした。レス・ポール氏自身は当初、1952年のゴールドトップモデルのリリースに際し、ゴールド色を第一に要望しました。ゴールドカラーは高級感に溢れていると考えていたからです。彼は、第二次大戦の退役軍人のために初めて作られた1951年製のゴールドカラーのES-175を実際に所有していました。Les Paul model Gold Topの次に、タキシードのように精悍なGibson Les Paul Custom “Black Beauty”のリリースへと繋がっていきます。アーチトップギターとアコースティックギターは、当時既にそれぞれのナチュラルカラーや着色されたカラーのヴァリエーションがあり、代表的なカラーはサンバーストカラーでした。そのサンバーストカラーが、1958年~1960年にかけて当時のニューモデルであるLes Paul Standardに吹きつけられていきました。様々なモデルでチェリーレッドの塗装も施され、他にも数色のニューカラーが1958年頃に吹かれるようになりました。

 

1960年代と60年代以降:極彩色の様相

しかしながら、ギブソン社がより幅広いカラーを試みるようになったのは60年代に入ってからです。50年代に自動車の市場規模とセールスが飛躍的に拡大した後、60年代初頭においても自動車産業は依然として活況を呈していました。当時のギブソンは自動車のカラーをギターに流用したのです。自動車のカラーを完璧に引き継いだのは、1963年に登場したFirebirdでした。ボディの輪郭は自動車デザイナーのRay Dietrichの手によりデザインされました。果たしてFirebird以上にニューカラーが最高に映えるモデルが他にあったでしょうか?(なかったでしょう!) ギブソンが最初のカスタムカラーを導入したのは1963年のことでした。

実際に、ファイバードの10色のカラーと当時人気のあった車種との間には明確な類似点がありました。60年代にヴァリエーションを大きく広げたギブソンのカスタムカラーのルーツの数例は、以下の例へと遡ることができます。

Polaris White(ポラリス・ホワイト), Frost Blue(フロスト・ブルー) – Oldsmobile (オールズモビル)
Cardinal Red(カージナル・レッド), Kerry Green(ケリー・グリーン) – Buick (ビュイック)
Ember Red(エンバ・レッド) – Ford (フォード) / Edsel (エドセル)
Inverness Green(インヴァネス・グリーン), Pelham Blue(ペルハム・ブルー) – Cadillac (キャディラック)
Sparkling Burgundy(スパークリング・バーガンディ) – ビュイックやキャディラックやポンティアックに使われた様々な呼称を持つゼネラルモーターズのカラーに対し、ギブソンが設定したカラーの名称

これらのカラーの多くは、人気の差こそあれ忘れ去られること無く存在感を保ち続け、オリジナルのカラーを纏った現存するヴィンテージギター(ヴィンテージカーも!)は今となってはコレクター垂涎の的となっています。チャタヌーガに新たにオープンしたソングバーズ・ギター・ミュージアムには、これらの輝かしい1960年代のギブソンギターを含め、50年代と60年代のギターのカラーバリエーションに関する展示があります。勿論、経時変化によりそれらのカラーは製造当時からは変化してしまっているのですが...!

 

上図でご確認いただけるのは、スパークリング・バーガンディを纏ったEBベース、ペルハム・ブルーを纏ったトリニ・ロペス・モデル、加えて、ソングバーズ・ミュージアム展示の60年代のファイアーバードモデル群(ケリー・グリーンと手前側のポラリス・ホワイト)などです。

Photos courtesy of Damien Rogers at Songbirds Guitar Museum

 

2017モデルとギブソン・カスタム・ショップ

今日では、ギブソン・カスタム・ショップでは全てのカラーやフィ二ッシュに関するあらゆる技巧が実践されています。エリック・クラプトン、ジミー・ペイジ、ビリー・ギボンズ、アレックス・ライフスンやその他多くの偉大なスター達のギターを含む、往年のヴィンテージギブソンギターの精緻な複製を行うことに加え、ギブソン・カスタム・ショップでは、顧客のオーダーに応じた特注のフィニッシュや膨大なカラーヴァリエーションからの特注生産に応じています。モデルによっては、個別のディーラー限定の特別なリミテッドランモデルである場合もあります。

比類なき最高の作品群に目を奪われたい方は、ギブソン・カスタム・ショップのフェイスブックページをフォローすることを強くお勧めします。以下ではごく一部ではありますが、2017年時点でこれまでカスタムショップが製造してきた息を呑むようなカラーリングの美しさをご覧いただけます。これらのギター達のカラーは、もはや自動車からのインスピレーションだけに頼っているわけではないことが、お分かりいただけることでしょう。

 

上段: カージナル・レッドの1959 Doublecut Junior、キャンディ・アップル・ブルーの1959-style ES-335 Aged、タンジェリン・バーストのCS-356 Figured
下段: アーミー・グリーンのL-5 Studio VOS、ホット・ピンクのLes Paul Custom Figured、シルヴァー・スパークルのSG Standard VOS

 

2017 Gibson USA Colors

ナッシュヴィルのGibson USAの製品群については、2017ソリッドボディ・ラインナップにて新たなレインボーカラーのヴァリエーションを用意し、引き続き輝き続けることでしょう。勿論、伝統のサンバーストに加え、チェリー・レッド、ホワイト、数カラーのブルーがラインナップされていますが、一際目立つFirebird Zeroも是非ご確認ください。ギブソンによる先駆的ボディシェイプに施されるユニークな色調のデザインの伝統が感じられます。S-Series Les Paul Custom Studioは新旧取り混ぜた明るく際立つカラー群とともに登場しています。

 

 

上段: フロスト・ブルー、ゴールド・ミスト、へザーの2017 Firebird Zero
下段: レイディアント・レッド、ライト・グリーン、ローズ・ゴールドの2017 S Series Les Paul Custom Studio

 

皆様のお気に入りのギブソンカラーは何色でしょうか?モデルによってフィットするカラーが異なるとお感じでしょうか?下記のフェースブックページにて、皆様のお気に入りの写真をどしどしシェアしてください!

 

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