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Gear & Tech

1952年に発売開始されたオリジナルのLes Paul Modelは、1958年に"Les Paul Standard"と改名され、同年に新カラーのチェリー・サンバ-スト・フィニッシュで仕上げられるようになるまでの間、ゴールド・フィ二ッシュで仕上げられていました。"Les Paul Standard"は、1958年のシカゴでのMusic Industry Trade Showにてデビューを飾りました。しかしその美しい外観や共鳴特性が、Keith Richards、Jimmy Page、Eric Clapton、Mike Bloomfield、Duane Allman、Peter Green、 Joe Walsh、Joe Perryなどの名手達や最終的にはSlashらの琴線に触れ、彼らが愛器として使用するようになるまでは、正当な評価を得られないでいました。

 

 

The Story of the Slash 1958 Les Paul First Standard

 

スラッシュは、十分に使い込まれた1958年製の Les Paul Standardをいつもスタジオで使用していますが、彼はつい最近まで、そのギターがギターの歴史上でたいへん重要性の高い1本であることに気付いていませんでした。ギブソン社の出荷記録が示すところによると、スラッシュのギター(シリアル番号#8 3096)は、実際にその歴史的な1958年開催のMusic Industry Trade Show用として、初のサンバースト・フィニッシュを施した2本のLes Paulのうちの1本として出展されていたものでした。加えて、Les Paul Standardにおいて重要な仕様となる、センター合わせの2ピース構造のメイプル・トップを初採用した1本だったのです。

 

 



1958年5月28日の当時の出荷記録によれば、最初の2本の“Special Finish” Sunburst Les Paulが記されています。#8-3096は、後に本生産されることとなるLes Paul Standard modelと同様にセンター合わせの2ピース・メイプル・トップを擁していました。一方、#8-3087の個体は、3ピースのメイプル・トップで中心を外した貼り合わせ方をしており、もともとはゴールド・トップで仕上げるLes Paulとして製作されていたことが窺える1本です。

この資料により、スラッシュ所有の1本(#8-3096)は、正しく一番最初に生産されたLes Paul Standard modelだと判明しました!今年、Gibson Customとスラッシュは、#8-3096のレプリカを作製するため、#8-3096の秘める特性、特有の雰囲気、そして今日までの足取りを完全に把握することから始めました。#8-3096の過激なフィニッシュ・チェッキングや擦り傷や腐食の状況を考えると、今までカスタム・ショップが取り組んできた中で、おそらく最もやりがいがありつつ骨の折れる再現プロジェクトだったといえます。正確なネックの寸法やカラー、そして構造の完全複製についても尽力したことは言うに及びません。遂に完成したプロトタイプはスラッシュのもとへ送られ、スラッシュの温かなコメントにより、丹精こめて製作に従事した製作チームの労は報われました。“夢みたいだ。多分これ以上もう何も求めなかっただろう”

歴史に名を刻むプレイヤーとギブソンの歴史に刻まれたモデルへ畏敬の念を寄せる、高いコレクト価値と演奏性を誇る芸術作。スラッシュの“First Standard”の完全な複製です。

 



Original program from the 1958 Music Industry Trade Show